みなさんは、大阪・関西万博でどのパビリオンに入って、どのようなことを学びましたか?
今回は、理系大学生(工学部)の視点から、電気事業連合会が出展する『電力館 可能性のタマゴたち』を訪れ、体験展示やパネル展示を通して学んだ内容をわかりやすく解説します。
この記事は、体験の感想は簡潔に触れつつ、「どのような技術が使われているのか」「その展示にどんな意義があるのか」に焦点を当てています。
電力館の概要と体験の流れ
「電力館 可能性のタマゴたち」は東ゲートゾーンに位置する、電気事業連合会が出展する体験型展示パビリオンです。
電気事業連合会とは、日本における電気事業の運営の円滑化を図るため設立された、電力会社各社の事業者団体です。
テーマは「エネルギーの可能性で未来を切りひらき、いのち輝く社会の実現へ」。
建物の外観は、パビリオンのコンセプトである「可能性のタマゴ」を建築で表現。外観はシルバー基調の「タマゴ型」であり天候・時間帯によって見え方が変わるように設計されています。
内部では、来場者は「タマゴ型デバイス」を受け取り、未来を切りひらく可能性をもつ約30のエネルギーについて楽しく学ぶことができます。
電力館のテーマとコンセプト
- テーマ:エネルギーの可能性で未来を切りひらき、いのち輝く社会の実現へ
- コンセプト:可能性のタマゴ
大阪・関西万博2025に出展される「電力館」は、電力業界が描く“未来のエネルギー社会”を体験的に学べるパビリオンです。
テーマである「エネルギーの可能性で未来を切りひらき、いのち輝く社会の実現へ」には、持続可能な発電や省エネルギーだけでなく、人がより快適で創造的に生きるためのテクノロジーを提案するという想いが込められています。
コンセプトの「可能性のタマゴ」は、電力が持つ潜在的な力と、来場者一人ひとりの中にある“未来を変える力”を象徴しています。
タマゴ型のインタラクティブデバイスを使った展示を通じて、来場者は自らエネルギーを生み出し、学びながら体感できる仕組みになっています。
展示は単なる技術紹介にとどまらず、来場者の動きや選択に応じて光や音が変化するなど、インタラクティブ性の高い演出が随所に取り入れられています。
これにより、子どもから大人までが「エネルギーの循環」や「人とテクノロジーの共生」を自然と理解できるよう設計されています。
また、展示空間のデザインには環境負荷を抑える最新技術が採用されており、快適性と省エネ性の両立を目指す“未来型建築”としての側面も持ちます。
まさに、「省エネ」と「人の輝き」を両立する社会の縮図がここに表現されているといえるでしょう。
大学生が解説:注目すべき技術ポイント
太陽光パネル廃棄ガラスを活用したインターロッキングブロック
再生可能エネルギーの普及とともに、太陽光パネルの大量廃棄問題が世界的に注目されています。
そこで登場したのが、発電の役割を終えた太陽光パネル由来のガラスを使用したコンクリート製品「太陽光パネル廃棄ガラスを活用したインターロッキングブロック」です。
- リサイクル性の向上
- 資源循環型社会への貢献
通常、ガラスをコンクリートに混合した場合、アルカリシリカ反応が発生する課題があります。
北陸電力はその反応を抑制するための研究を進め、太陽光パネル廃棄ガラスと石炭火力発電所で石炭を燃やした後に電気集塵器で採取される微粉(フライアッシュ)の混合により、一定の強度を保ちつつ、アルカリシリカ反応を抑制できる「インターロッキングブロック」を開発しました。
- 材料工学(コンクリートの化学反応と耐久性)
- 環境工学(廃棄物再利用・循環資源)
タマゴ型デバイスと体験展示から見る応用技術
電力館では、子どもから大人まで楽しめる体験展示が充実しています。
例えば「振動発電」「潮流発電」「ワイヤレス電力伝送」「核融合の基礎」など、エネルギー技術を体感できるゲームやシミュレーションが用意されています。
来場者はタマゴ型デバイスを使ってエネルギーを「チャージ」し、光の演出が展開される「輝きエリア」で成果を体験できます。
これらの体験は、大学で学ぶ伝熱・流体力学・電磁気学・化学反応といった基礎工学の応用として設計されており、次世代のエネルギー技術をわかりやすく学べる展示となっています。
- エネルギー技術を「見て・触れて・感じる」体験設計
- 振動発電・潮流発電など再生可能エネルギーを体験
- STEM教育・次世代エネルギー学習への応用
- 電気電子工学
- 機械工学
- 教育学
AIを活用したエネルギー・マネジメント・システム
電力館では、AI技術を活用したエネルギー・マネジメント・システム(EMS-AI)の実証実験も行われています。
”いのち輝く未来社会”を見据え、単なるエネルギー削減にとどまらず、人がより輝く(快適に)快適な環境づくりに挑戦しています。
- AIによる電力需要予測と最適制御
- 再エネ導入率の最大化とCO₂削減
- スマートシティ実現への基盤技術
- 情報工学(AI・機械学習・最適化)
- エネルギーシステム工学(電力需給・分散制御)
まとめ
『電力館 可能性のタマゴたち』は、遊び心ある演出と高度な技術を組み合わせ、未来のエネルギー社会を体感させる良質な学習空間です。
化学・電気・建築・情報など複数の分野が交差する「実社会での学びの交差点」として、教科書で学ぶ理論が現実にどう応用されるかを理解する優れた教材です。


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